ショー催眠術とは
舞台上で行われる娯楽としての催眠パフォーマンスのことを指します。
専門家によるエンターテインメントとして長年親しまれてきた一形態です。
まず、ショー催眠術の基本的な仕組みについて説明しましょう。
催眠術師(パフォーマー)は
観客の中から自発的に参加したいと希望する人を呼び出します。
参加者は自分の意思で自発的にステージに上がってきます。
次に、パフォーマーは様々な催眠誘導技術を使って
参加者を浅い催眠状態に導きます。
催眠状態では、参加者は自分の意識や感覚は感じ取れるものの
パフォーマーの指示に従って行動するようになります。
例えば、「あなたは可愛い子犬になりました」と言われると
参加者は本当に子犬のように
歩いたり、吠えたりするのです。
観客はこうした参加者の奇妙な行動に大いに興味をひかれ
楽しむことができます。
ショー催眠術の歴史は古く
19世紀の欧州で盛んに行われていました。
当時は科学的な理解が乏しかったため
超自然的な力によるものと考えられていました。
しかし現代では、催眠の神経科学的メカニズムが解明され
心理学的な側面から理解されるようになっています。
ショー催眠術では通常、参加者を浅い催眠状態に導きます。
内容によっては深い催眠状態まで誘導する事もあります。
この状態は、何もない空間に「あなたの大好きな人が目の前にいます。」
深い催眠術状態になると見たいものが見えるようになったりと
説明だけでは怖いと思う方もいますが
基本的にショー催眠術は参加者の自発性と安全性が何より重視されます。
参加者は自らの意思で舞台に立つのであって
強制されるわけではありません。
パフォーマーは参加者の人権と尊厳を尊重し
決して危険なことをさせることはありません。
前に述べた催眠状態は
本人の意識も感覚もあるので本人が
「いやだ」「やりたくない」と強く思うと
何の現象も起きません。
実際のショー演技では
パフォーマーは参加者の様子を細かく観察しながら
適切な誘導と指示を与えます。
参加者の反応を見極め
無理のない範囲でしか行動させません。
万が一、参加者に何らかの異変が見られれば
即座に催眠から覚醒させる措置をとります。
ショー催眠術は
参加者の自発性と安全性を何よりも重視しつつ
観客を楽しませることを目的としたパフォーマンスなのです。
その歴史は古く
今日でも世界各地で人気を博しています。
そしてショー催眠術は
科学的な理解、理論と倫理的配慮に基づいて
発展してきた一つの娯楽形態といえます。